一緒に食べて、それぞれの目線で考える難民問題
Lab Report
イベント概要
世界難民の日スペシャル講座! 故郷の味を教わる難民ごはん料理教室
主催:株式会社オレンジページ
開催期間:2021年6月20日(月)
イベント詳細
「おいしい食べ物を通して難民問題を考える」をテーマにスタートしたオレンジページの『難民ごはんプロジェクト』のスペシャル講座が開催されました。会場はJR新大久保駅直結という立地で、食を通じた新たな世界へのチャレンジを支援するプラットフォーム、K,D,C,,,です。開催日の6月20日は国連総会で定められた「世界難民の日」。国連UNHCR協会(※)による「UNHCR WILL2LIVE ムーブメント」の一環として、遠い国の出来事として捉えられがちな難民に関する話題を身近に感じてもらうための料理教室となりました。
講師はベトナム、ミャンマー、カンボジアにルーツを持ち、東京で飲食店を営む3名の料理人。ご自身またはご家族が難民認定を受け、日本に暮らすこととなった方たちです。教室は90分ずつのデモンストレーション形式で行われ、それぞれ20名、計60名の参加者が、講師の故郷の味を教わりながら、講師やそのご家族の体験談に耳を傾けました。
大きな社会課題である難民問題を、「おいしい」「楽しい」を提供する料理教室と組み合わせることで、問題を理解し共感する人を増やしたいという思いで開催された難民ごはん料理教室。参加者のうち約半数は、これまで難民問題に関わったことがないという方でしたが、目の前で作られる馴染みのない家庭料理を五感で感じながら、講師と祖国のパーソナルなストーリーに引き込まれていきました。その国の人々の暮らしを想像し、難民問題にも思いを馳せ、会場では自然と参加者同士のコミュニケーションも生まれていきました。まさに、「おいしいごはんやその土地の文化を知ることを通して、みんなで考えよう」というコンセプトを現したような光景でした。
ニュースで見聞きするだけだった国のことを知り、一緒にその国のごはんを食べるという日常行為をともにするだけで、参加者たちは講師やその国への心の距離がぐっと縮まったようでした。難民ごはん料理教室を終えて外に出ると、さまざまな国の文化が交差する新大久保の街の風景がそれまでとは違って見えたかもしれません。後日、参加者から届いたご感想には、「講師の国のニュースを見ると、とても気になるようになった」というメッセージもありました。食や暮らしを通して、1人でも多くの人がそれまで知らなかった国のことを知ることが、世界をより良い方へと導いていくのではないでしょうか。
(※)国連の難民支援機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口。
https://www.japanforunhcr.org/