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地方創生×フリーランス|JICUの「ジョブグルメ」が生産者との新たなマッチングを創出

2025.03.28

食のコワーキングスペース K,D,C,,,では、食ビジネスの最前線で活躍する企業やプロジェクトを紹介し、新たな食文化の共創を目指しています。今回は、地域の生産者と専門スキルを持つフリーランスをマッチングし、新しい価値を生み出す「ジョブグルメ」 を展開する株式会社JICU様(以下、敬称略)の革新的な取り組みをご紹介します。

地域と人材をつなぐ——ジョブグルメの誕生

JICU代表の水田侑宏さんは、大手広告代理店に勤務していた頃、病に倒れた父親の余命が短いことを知り、地元・佐賀への帰郷を決意。地方での転職活動を試みるも、福岡の企業を紹介されるばかりで、地元に働き口が少ない現状に直面しました。「地方にもスキルを活かせる仕事があるはず」——そう考えた水田さんは中小企業診断士の資格を取得し、地方の課題解決を支援するためJICUを設立。その中で誕生したのが「ジョブグルメ」です。

「ジョブグルメ」の仕組み——共感を軸にしたマッチングモデル

ジョブグルメは、地域の生産者とデザインやマーケティング、EC運営などの専門スキルを持つフリーランスをマッチングするサービスです。どうしても業者的な関わりが多くなりやすい一般的な業務委託とは異なり、ジョブグルメでは生産者が掲げる課題や事業への想いに共感したフリーランスが応募する形でマッチングが成立します。

上下関係のない協力体制——共感が生む信頼関係

このマッチングモデルの特長は、発注者と受注者という上下関係ではなく、対等な関係性のもとでプロジェクトが進むことです。共感を前提とした関係性が、プロジェクトのスムーズな進行や新たなアイデア創出につながっています。

例えば、

・猫好きの生産者と猫好きのフリーランスが意気投合し、当初の案件以外でも新たなプロジェクトが生まれる

・小さな子どもを持つ生産者とフリーランスが、互いの状況を理解し合い、急なスケジュール変更にも柔軟に対応

など、人と人との親密なつながりやコミュニケーションもジョブグルメの大きな魅力です。

成功事例——地域産業を支える新たなアプローチ

ジョブグルメのマッチングを通じて、すでに16件の成功事例が生まれています。その中でも特に注目されるのが、以下のプロジェクトです。

・ジビエ加工食品店のECサイト制作

猪肉の加工・販売を行う「西村商店」は、地元での評価は高かったものの、ジビエ肉の知名度の低さからオンライン販売に課題を抱えていました。そこでジョブグルメを通じて、ECサイト構築のスキルを持つフリーランスが支援。視覚的な訴求力を強化したECサイトを構築した結果、オンライン販売の売上が大幅に向上しました。

旅館のPR記事制作

福岡県柳川市の旅館では、観光誘致を目的としたPR記事の制作が必要でした。そこでジョブグルメを活用し、駆け出しのフリーライターが参画。取材を通じて旅館の魅力を引き出す高品質な記事を制作し、結果として集客力向上に貢献しました。

マネタイズの課題と今後の展望

現在、ジョブグルメは β版として手数料を取らずに運営されています。しかし、持続的な事業運営のためには、マネタイズの仕組みを確立する必要があります。

特に、充分な資金を持たない生産者や、農作物での支払いが物量的に負担になるケースもあり、報酬の仕組みの最適化が求められています。JICUでは、

・報酬として受け取った農作物をポイント化し、他のサービスと交換できる仕組みを導入

・サブスクリプション型のプラン設計

など、新たな収益モデルの確立を検討中です。水田さんは、「まずは佐賀で成功事例を積み上げ、その後、同じ理念を共有できるパートナーとともに全国展開を進めたい」と語ります。 

JICUが目指す未来

JICUのジョブグルメは、 地域の生産者とフリーランスが共感をベースに結びつき、互いの強みを生かした新しい価値創造を実現するプラットフォームです。現在の課題を乗り越えながら、地域活性化と食産業の発展を目指すJICUの挑戦は、今後ますます注目を集めるでしょう。